「大和田秀樹のごく私的京都」




京都の味覚を求めて〜第一回〜
京都へは午後11時ごろついた。旅の宿は大学時代の友人の家。
聞けばまだ晩御飯を食べていないというので、さっそく提案する。
「京都らしい、なにか美味しいものが食べたい。」
「やかましい。こんな時間に来ても何も無い」
そう言われて無理やりガストへと連れて行かれた。問答無用で。
非常に納得が行かない。
なぜ、わざわざ500kmもの旅をしてガストなのだ?ガストなら家の近くにあるのに!
旅先で地元のものを食うことの素晴らしさを説こうとした所にひれかつ定食が来たので中断。
まあいい。明日は私一人の単独行動だ。
こんな京情緒のわからぬ京都府民は放っといて 雅な味覚に酔いしれる事にしよう。
それにしてもひれかつは美味しいなあ・・・。
こうして私の京の第一日目はしめやかに終わったのだった。


二日目は朝から京都散策。
京都らしいもの以外は絶対口にしないぞ!
まずは軽めの朝食から京都三昧。茶そばだ。
厳密に言えばお茶は宇治なんだけど、細かいことは気にしない。 よさげな店の暖簾をくぐる。
出てきた茶そばの緑色を見て、仙台にあるスタミナラーメンの店を思い出す。 あの店のはほうれん草で緑色にしていて、ニンニクたっぷりの豪快な味だった。
だが茶そばはその見た目とは裏腹に非常に上品な味・・・。 うま〜〜〜〜・・・。
思わずお代わりが欲しくなる。だがしかし!
今回は2日の日程で京都の美味しいものを食べ尽くさなければならない。 一発目から本気で満腹になるわけには行かない。
仕方が無いからお代わりは一回だけにした。


京都で「ぶぶ漬けでも食べなはれ」と言われたら「帰れ」という意味
そう聞かされていたのでぶぶ漬け専門店の前で少し悩む。
お品書きにはぶぶ漬けしかない。中に入って「ぶぶ漬けでも食べなはれ」と言われたら 私はどうすればいいのだろうか?大人しく言い伝えにしたがって出て行くべきなのか、 それとも図々しくぶぶ漬けを頂くべきなのか・・・。
しばらく思案した後、やっぱり食べる。
うま〜〜〜〜・・・。
お勘定を払う時に「またおこしやす」と言われたけど、これも本気にしてはいけないのだろうか?
奥深い作法が秘められた都市・京都。まだまだ私は田舎者のようだ。

銀閣寺参道でお茶


一応有名どころへも行こうと銀閣寺へ向かう。
参拝。
よし、これでこれからは「銀閣寺?ああ、行ったことあるよ」と言える。
そのあと参道でお茶。
ここにくるまでに色々歩いていて、そこかしこに「ひやしあめ」なる看板があり、 とても気になっていた。おそらく名前からして甘いものに違いない。
感じの良いおばあさんの営む茶店に入って早速注文する。くずきりもいっしょに注文。 どっちも食べたことが無いから味の予想は全くつかない。

教訓1:知らないものだけを注文するのは当然リスクが伴う。
教訓2:甘いものと甘いものの組み合わせはお奨めできない。

くずきりもひやしあめも激甘の食べ物だったのだ! ひやしあめに至ってはドリンク・・・。こじゃれた器にプリチーなストローまでついている。
知らなかった・・・。
そもそも甘味処に対して全く無知な男子が、京都の小粋な雰囲気に飲まれて お茶をしようなどという事自体が間違い。
くずきりが甘い和菓子ということを知らないなんて言語道断である。
気を利かせてくれたおばちゃんが、苦いお茶を出してくれなかったら大惨事に なるところだった。
ひやしあめを一口飲んで・・・



さらにくずきりで・・・



穴子の炭焼き。
なぜか韓国風味だった。
「祇園」
昼間は軽食中心だった。イカ焼きもみたらし団子も食った。
だが、京都といえば祇園である。
夜は祇園で美味しいものを食う!
友人達と合流して祇園へ向かう。格子戸がイカす木造のお店が並ぶ。さすが祇園だ。
だが、悲しいことに全員庶民だった。祇園の茶店に顔が聞く人間など 一人もいない。いろいろ歩いてフレンドリーな 入りやすい店に決めた。ちゃんこ屋に。
なんで京都でちゃんこ屋・・・。
友人達が夜空に向かって泣きながら絶叫する。
「いつかブルジョワになって改めて祇園に行くことを誓うぞ!!!」
「札束で頬を叩いてやる!」
資本主義の矛盾について深く考えさせられた。
しかし美味かった。ちゃんこ以外の一品料理も美味い。
したたかに酔い、食う。

こうして祇園の夜は更け、第二日目は終わった。

てんむす。
以前、名古屋で頂いた時はおむすびの中に入っていた気がするが、 これが京都風なのかしら?

〜第二回へつづく〜


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